4月25日 閣議決定
         一般職の任期付研究員の採用、
       給与及び勤務時間の特例に関する法律(案)
(趣旨)
第一条 この法律は、試験研究機関等の研究業務に従事する一般職の職員について、任期を定めた採用
並びに任期を定めて採用された職員の給与の特例及び裁量による勤務に関する事項について定めるもの
とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 試験研究機関等 次に掲げる機関(国立学校設置法(昭和二十四年法律第百五十号)第二条
第一項に規定する国立学校を除く。)であって、試験研究に関する業務を行うものをいう。
イ 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の二の規定に基づき同法第三条の行
政機関に置かれる試験研究機関その他の施設等機関
ロ 国家行政組織法第八条の三の規定に基づき同法第三条の行政機関に置かれる特別の機関又は
当該機関に置かれる試験所、研究所その他これらに類する機関
ハ 国家行政組織法第九条の規定に基づき同法第ニ条の行政機関に置かれる地方支分部局に置か
れる試験所、研究所その他これらに類する機関
二 研究業務 試験研究機関等の試験研究に関する業務をいう。
三 職員 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員
(試験研究機関等の長その他の人事院規則で定める官職を占める職員及び常時勤務を要しない官
職を占める職員を除く。)をいう
(任期を定めた採用)
第三条 任命権者(国家公務員法第五十五条第一項に規定する任命権者及び法律で別に定められた任命
権者並びにその委任を受けた者をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合には、選考により、任期を定
めて職員を採用することができる。
一 研究業績等により当該研究分野において特に優れた研究者と認められている者を招へいし
て、当該研究分野に係る高度の専門的な知識経験を必要とする研究業務に従事させる場合
二 独立して研究する能力があり、研究者として高い資質を有すると認められる者(この号の規
定によりかつて任期を定めて採用されたことがある者を除く。)を、当該研究分野における先導
的役割を担う有為な研究者となるために必要な能力のかん養に資する研究業務に従事させる場合
2 任命権者は、前項第一号の規定により任期を定めた採用を行う場合には、人事院の承認を得なけれ
ばならない。
3 任命権者は、第一項第二号の規定により任期を定めた採用を行う場合には、人事院と協議して定め
た採用計画に基づいてしなければならない。この場合において、当該採用計画には、その対象となる研
究業務及び選考の手続を定めるものとする。
(任期)
第四条 前条第一項第一号に規定する場合における任期は、五年を超えない範囲内で任命権者が定め
る。ただし、特に五年を超える任期を定める必要があると認める場合には、人事院の承認を得て、七年
(特別の計画に基づき期間を定めて実施される研究業務に従事させる場合にあっては、十年)を超えな
い範囲内で任期を定めることができる。
2 前条第一項第二号に規定する場合における任期は、三年(研究業務の性質上特に必要がある場合
で、人事院の承認を得たときは、五年)を超えない範囲内で任命権者が定める。
3 任命権者は、前二項の規定により任期を定めて職員を採用する場合には、当該職員にその任期を明
示しなければならない。
第五条 任命権者は、第三条第一項第一号の規定により任期を定めて採用された職員(以下「第一号任
期付研究員」という。)の任期が五年に満たない場合にあっては採用した日から五年、同項第二号の規
定により任期を定めて採用された職員(以下「第二号任期付研究員」という。)の任期が三年に満たな
い場合(前条第二項の人事院の承認を得て任期が定められた場合を除く。)にあっては採用した日から
三年、第ニ号任期付研究員のうち同項の人事院の承認を得て任期が定められた職員の任期が五年に満た
ない場合にあっては採用した日から五年を超えない範囲内において、その任期を更新することができ
る。
2 前条第三項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。
(給与に関する特例)
第六条 第一号任期付研究員には、次の俸給表を適用する。
1号 410,000、2号 486,000、3号 567,000、4号 661,000、5号 771,000、6号 
881,000
2 第二号任期付研究員には、次の俸給表を適用する。
1号 336,000、2号 376,000、3号 407,000
3 各庁の長(一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号。以下「給与法」とい
う。)第七条に規定する各庁の長及びその委任を受けた者をいう。以下この条において同じ。)は、第
一号任期付研究員及び第二号任期付研究員の号俸を、その者が従事する研究業務に応じて人事院規則で
定める基準に従い決定する。
4 各庁の長は、第一号任期付研究員について、特別の事情により第一項の俸給表に掲げる号俸により
難いときは、同項及び前項の規定にかかわらず、人事院の承認を得て、その俸給月額を同表に掲げる六
号俸の俸給月額にその額と同表に掲げる五号俸の俸給月額との差額に一からの各整数を順次乗じて得ら
れる額を加えた額のいずれかに相当する額とすることができる。ただし、給与法の指定職俸給表十二号
俸の額を超えることはできない。
5 各庁の長は、第一号任期付研究員又は第二号任期付研究員のうち、特に顕著な研究業績を挙げたと
認められる職員には、人事院規則の定めるところにより、その俸給月額に相当する額を任期付研究員業
績手当として支給することができる。
6 第三項の規定による号俸の決定、第四項の規定による俸給月額の決定及び前項の規定による任期付
研究員業績手当の支給は、予算の範囲内で行わなければならない。
(給与法の適用除外等)
第七条 給与法第六条、第八条、第十条から第十一条の二まで、第十一条の九及び第十九条の五の規定
は、第一号任期付研究員及び第二号任期付研究員には、適用しない。
2 第一号任期付研究員及び第二号任期付研究員に対する給与法第三条第一項、第七条、第十一条の八
第一項、第十九条の三第一項、第二十条及び第二十一条第一項の規定の適用については、給与法第三条
第一項中「この法律」とあるのは「この法律及び一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特
例に関する法律(以下「任期付研究員法」という。)第六条の規定」と、給与法第七条中「この法律」
とあるのは「この法律及び任期付研究員法第六条の規定」と、給与法第十一条の八第一項中「限る。
)」とあるのは「限る。)並びに任期付研究員法第三条第一項の規定により任期を定めて採用された職
員」と、給与法第十九条の三第一項中「以下「特定管理職員」」とあるのは「任期付研究員法第三条第
一項第一号の規定により任期を定めて採用された職員を含む。以下「特定管理職員」」と、給与法第二
十条中「第六条」とあるのは「任期付研究員法第六条」と、給与法第二十一条第一項中「この法律」と
あるのは「この法律及び任期付研究員法第六条」とする。
(職員の裁量による勤務)
第八条 各省各庁の長(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号。以
下「勤務時間法」という。)第三条に規定する各省各庁の長及びその委任を受けた者をいう。以下同
じ。)は、第一号任期付研究員の職務につき、その職務の性質上時間配分の決定その他の職務遂行の方
法を大幅に当該第一号任期付研究員の裁量にゆだねることが当該第一号任期付研究員に係る研究業務の
能率的な遂行のため必要であると認める場合には、当該第一号任期付研究員を、人事院規則の定めると
ころにより、勤務時間法の規定による勤務時間の割振りを行わないで、その職務に従事させることがで
きる。この場合において、当該第一号任期付研究員は、人事院規則の定めるところにより、その勤務の
状況について各省各庁の長に報告しなければならない。
2 前項の場合における第一号任期付研究員については、月曜目から金曜日までの五日間において、人
事院規則で定める時間帯について勤務時間法第六条第二項の規定により一日につき八時間の勤務時間を
割り振られたものとみなし、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休
日その他の人事院規則で定める日を除き、当該勤務時間を勤務したものとみなす。
3 勤務時間法第六条第二項及び第三項、第七条から第十二条まで並びに第十五条の規定は、前項の第
一号任期付研究員には、適用しない。
(人事院規則への委任)
第九条 この法律の実施に関し必要な事項は、人事院規則で定める。
(人事院の勧告等)
第十条 人事院は、この法律に定める事項に関して調査研究を行い、その結果を国会及び内閣に同時に
報告するとともに、必要に応じ、適当と認める改定を勧告することができる。
附則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法の一部改正)
2 国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法(昭和二十九年法律第百四十一号)の一
部を次のように改正する。
第七条第一項に次の一号を加える。
七 一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律(平成九年法律第 号)第六
条から第八条までの規定
(研究交流促進法の一部改正)
研究交流促進法(昭和六十一年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項第一号中「定める者」の下に「並びに一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の
特例に関する法律(平成九年法律第 号)第六条第一項又は第二項に規定する俸給表の適用を受ける職
員(次条において「任期付研究員俸給表適用職員」という。)」を加える。
第三条中「前条第二項第二号に規定する者を除く。次条」を「前条第二項第一号に規定する者(任期付
研究員俸給表適用職員を除く。)に限る。次条第二項」に改める。
第四条第一項中「研究公務員」の下に「(第二条第二項第二号に規定する者を除く。)」を加える。
理由
人事院の国会及び内閣に対する平成九年三月六日付けの意見の申出にかんがみ、国の試験研究機関等へ
の特に優れた研究者の招へい及び高い資質を有する研究者の受入れを図るため、国の試験研究機関等の
研究業務に従事する一般職の職員について、任期を定めた採用並びに任期を定めて採用された職員の給
与の特例及び裁量による勤務に関する事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由で
ある。